演武

　その本質がそうあったから
　君を聞こうと耳を澄ませた

　その本質がそうあったから
　いつまでたっても語れなかった


　また季節がめぐりきて
　陽光の花は太陽さがす


　僕は変わらず
　虚空を見上げ
　明日見えぬかと試みる

かたことこうた

　　　歌いたいから
　　　歌いたいのに
　　　歌いたくて

　　　響かなくて

　　　歌えなくて
　　　歌えないのに
　　　歌いたいから

昼行灯

　これだけは捨てられない
　これだけは、何にも変えられないと
　思った彼女だったから
　認めるという
　そんな単純なことさえ容易じゃなかった

　あんなに大事な彼女なのに
　祝福の言葉一言さえも
　笑って言えるか疑った

　あの子のお陰で
　何気無い再会文句も
　交わして背中を向けられたけど。


　さて
　何にも変えられない何か
　なにがなんでも捨てられないもの
　かけがえのない、大切なもの

　また…どっかで見つけられっかな。